大総括、シアトルで1年過ごして。その2

引き続き、1年のシアトル生活を総括し、ここでは個別で雑多なことを話します。

買ってよかったもの:

・車
勤務先の大学まで徒歩圏内かつ比較的都市部に居住したので、頑張れば車なしの生活もできたかもしれません。
しかし5人家族だとUber 1台に乗れないですし、子どもの学校がすこし離れたところにあったので、非常時は送迎が発生し(かつ非常時は頻繁に起こる)、車がなかったら結構たいへんだったと思います。気軽に観光旅行に行けるのも特権ですよね。大所帯なので飛行機での旅行は費用がかさみますから。路上駐車が基本かつやや面倒なシアトルで、駐車場付き賃貸だったのもよかったです。
中古車を買って、最後に売って、1年で60万円台+自動車保険+ガソリン代 くらいの出費となりました。その価値はあったと思います。

・キックボード
大学までの貴重な通勤手段となりました。足漕ぎですが、西海岸で流行っている電動キックボードには負けません。ぶいぶい走ります! $15

・自動車保険
年間$2100程度でした。日本よりずっと高いです。調査をしっかり行い、交渉すればもっと安くできると思います。
自分が事故を起こさなくても、もらい事故確率高めです。日本人コミュニティから日本語で応対してくれる代理店を紹介してもらいました。事故対応時に各種アドバイスをいただき、本当に感謝です。前回書いたように、こういうところを無理に英語で頑張ろうとしなくてよかったです。

・google fi
googleが販売している携帯電話のsimカードです。世界中ほとんどどこでも、設定なしで使えます。テザリングもし放題。時々海外出張に行く業種の人には大変おすすめです。日本でも使えますが、アメリカの住所がないと買えないので、「アメリカにいる間に買うとよいものはなんですか?」と事情通に聞くと、まず教えてもらえるのがgoogle fiでした。
今年度も、インドに行ったときなどに大活躍しました。契約を休眠させることも楽なので、帰国後も使用を継続する予定です。

・手作りビールキット
ワシントン州では個人で酒造りができます。アマゾンでキットを買い、作りました。2ガロンで$50くらいです。スーパーで買うクラフトビールと同じくらいのコストです。
持ち前のIT技術で温度管理もバッチリ行い、2ヶ月弱かけておいしく出来上がりました。友人たちに振る舞い、好評でした。
<クラウドファンディングプロジェクトの毎月配信の研究日記でもこのことは取り上げました。>

↑自家製ビール。ラベルは長女作。ネイティブアメリカンの意匠です。

↑自家製ビール。瓶詰め工程。

買わなくてよかったもの:

・子供の医療保険
オバマ前大統領のおかげで、医療地獄であるアメリカでも子どもの医療は手厚いサポートが受けられます。いわゆるオバマケアというやつです。
サバティカルに行くような人はアメリカでは無収入あるいは低収入という扱いになることが多いと思いますが、その場合無料もしくは超安価な保険料で子どもの医療費は無料になります。しかも歯科診療もOK。我が家は子どもを何度も医者や歯医者につれていきましたが、1セントも請求されておりません。
しかしこの制度があることはあまり知られていなくて、周囲のサバティカル友人の方々もご存じない方が多かったです。私の場合、子どもの通ったBOC学校が、移民などを支援する制度の充実しているところだったので、学校側から教えてもらいました。
というわけで、出発前に日本で契約した高額な医療保険は途中解約しました。これだけで数十万円規模の節約でした。ただしアメリカ生活開始直後に早速子どもが2人病気になったりと、元々準備したこの保険のお世話になる局面はありました。事前にオバマケアのことはわからなかったので、感謝こそすれ、特に無駄にはなってません。日割り計算で解約できましたし。
なお、大人は最後までこの保険にお世話になりました。(歯医者で保険が使えないのは少し難ありです)
ちなみに、私のお世話になった病院では、Japanese interpreter pleaseと言えば、無料で(保険の範囲内で)通訳の人が派遣されて来るか、そうでなくても最低限、通訳の人とのビデオチャット環境を用意してくれました。

・日本のアマゾンで買った、「アメリカで使えるsimカード」
テザリングや海外ローミングができないタイプでした。google fi一択。
しかし渡米直後は様々な事務手続きで電話番号が必要になるので、気づくともうこの電話番号を膨大に登録してしまっており、変更作業が面倒すぎて諦めて1年使い倒しました。月$30です。

契約してよかったもの:

・家
圧倒的に広く、プールとバーベキュー施設とジムとサウナがあり、駐車場つき。バルコニーからスペースニードルと湖とレーニア山が一望でき、職場まで徒歩圏内。近所に優良スーパーTrader Joe'sとフィットネスクラブのYMCA、英会話教室の教会がある。
もうこんなによい物件に住むことはないでしょう。家賃も日本の倍くらいかかりましたが。
もともとは子どものため、よい学校が近所にあるという基準でここを選んだのですが、結局子どもは遠方のBOC学校に行くことになったので当初の目論見は空回りに終わりました。しかしその結果偶然得たこれらのメリットはとても大きかったです。

英会話学校から近いので、友人を招くことも多く、皆さんにも好評でした。友人たちの住むアパートも訪問しましたがとてもモダンで、ホテルのようなきらびやかなところが多かったです。我が家はとても古く、内装も現代的感覚では地味なのでしょう。私どもにとってはそれでも真新しく感じられました。生活騒音を騒音を隣人から指摘されることが多いと友人から聞きましたが、我が家はまったくそのようなことはありませんでした。

・グランドピアノレンタル
広い部屋で家具もろくにない寝袋生活において、最初に来たまともな家具がグランドピアノでした。アップライトで十分だったのですが、グランドピアノのほうがコンパクトに搬送できるので、アパートへの導入が簡単です。日本よりもレンタル料金が安く、部屋に彩りを与えてくれました。

・科学館の年間メンバーシップ
雨が多いシアトルにおいて、子どもの遊び場として週末の駆け込み寺となりました。通常入場料金2人分くらいなので、お得です。
体験型展示のスケールが大きく、飽きません。

・ネイティブキャンプ
ビデオチャットを用いたオンライン英会話です。わざわざアメリカに居るのに・・という意見もありますが、妻と娘の日常的な英語学習に効果的でした。予約いらずで、思い立った時に始められるのは最高です。日本でも続けたいです。私自身も始めようと思います。

・BOC(Bilingual Orientation Center)
英語の基礎教育を行う特別な公立学校です。ELL/ESLを学校単位でもっと徹底させたもの、といった感じでしょうか。シアトル市以外でこの制度がある場所は聞いたことがありません。あるのかな?

観光でよかったこと:

・イエローストーン国立公園
車で片道2日かかる大冒険でしたが、私の観光観(そんな言葉あるのかな?)は根本から覆されました。とにかく圧倒されました。
今まで訪れた観光地の中で文句なしのNo.1です。自然の素晴らしさもさることながら、ソフト面も色々な楽みに取り組めるようよく設計されており、唸らされます。
1週間ほどの旅でしたが、それでも1/4程度しか見られておりません。

Boiling water hot springという、川に高温の温泉が流れ込んでいるワイルドな露天風呂があります。そこで久々の温泉浴を満喫していたら、エルク(鹿)の家族が闖入してきて、しばしともに入浴したのが旅のハイライトでした。

アメリカは国立公園が良いよと言われます。果たしてその通りでした。もっといろいろ行きたい。でも遠い・・アメリカは広すぎる!

通ってよかったこと:

・近所の教会の英会話教室
キリスト教の教会は多岐にわたるいろいろな活動をしています。英会話教室その一環です。ここで多くの人と交流することができました。教会も学校と並んで、アメリカ文化を学ぶにはとても良い場所です。そして基本的に皆さんとても優しい!

・ともしび文庫
シアトルから東に大きな橋を渡っていくと、ベルビューという場所があります。そこは日本人コミュニティが充実しており、日本語補習校において寄付で集められた膨大な日本の本が無料で借りられるボランティア運営図書館「ともしび文庫」があります。小説、自己啓発、マンガまで充実しており、我が家はヘビーユーザーでした。

日本に持ち帰れるなら持ち帰りたいもの:

・Trader Joe'sスーパーまるごと
とてもワクワクするスーパーでした。安いし、質もよい。
日本支店希望!

・アメリカンなキッチン
噂によるとオーブンなど、コストコで買えるらしい。家にスペースがあることが前提ですが!


・教会の英会話教室
しばらくシアトルは学校系のアクティビティがすべてオンライン化されるので、実は帰国後も参加できてしまうのです!

日本に帰ったらやりたいこと:

・安くておいしいラーメンを食べる
・歯医者に行く(つめものがとれちゃった・・)


ここ数日、シアトルは外出禁止令が出ており、シアトル空港でも職員がウイルス陽性反応がでるなど、予断を許さない状況でした。もし帰国できなかったときに最低限のライフラインを確保しつつ退去準備するというのは結構難しかったです。ギリギリまでいろいろ手元に置いておかないといけないので。


まだまだいろいろ思い出は尽きませんが、そろそろ出発準備します!

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