アメリカ生活のblogを書きます

2019年4月から、アメリカのシアトルにあるワシントン大学に、客員研究員として1年滞在することになりました。大学の研究者が時々取得できる(ことがある)、サバティカルリーブと呼ばれる制度によるものです。研究者にとっての充電期間として、大学の雑務から開放され、研究時間を捻出したり、書籍を執筆したり、あるいは新しい研究分野を開拓したりといったことに使われます。ホストとなってくれる知り合いの研究者の研究室に身を寄せることになるので、共同研究も進みます。いわば研究者としての「出稽古」ですね。

大学の研究者が時々取得できる【ことがある】と強調したのは、制度としては様々な大学にあるものの、結局実施されることが難しいことが多いからです。端的に言って、大学の労働力が半年や一年といった長い時間減るので、残った人が埋め合わせなければいけません。講義担当を別の人に頼んだり、委員会の仕事を任せたり、大変です。また、研究室に院生が所属していると、甚大な影響があります。なにしろ先生がいなくなってしまいますからね!

その点、我が津田塾大学は大変恵まれています。そもそも創始者の津田梅子先生が、留学で身を立てた人ですからね。制度としてのサバティカルリーブが、「次は誰がとる?」くらいの自然さで組織に馴染んでいます。産休育休に対して寛容な職場と似たような感じです。また、私立大学の津田塾大学は、開講が必要な講義に関する経済的措置が保障されているので、常勤職員のいない分については自動的に非常勤講師を雇用する予算がつきますから、「あいつのいなくなったせいで講義が増えた」のような不満が少ないのではないかと思います。

年度末に院生も全員卒業してしまうこのタイミングは、私にとってラストチャンスでした。私は海外修行したいと以前から思っていましたが、行くなら家族全員で行く、という以外は全く考えておりませんでした。すると子どもが大きくなるにつれて、受験をどうするのかといった問題が浮上してきます。そろそろ年長の子が受験を考えなければいけない年になるので、リミットが近づいておりました。

そういうわけで、妻と小学生の子ども3人の合計5人家族で、1年間の大冒険のはじまりです。妻はほとんど英語ができないので、生活全般にわたって私の英語力がこれまでになく試されます。正直なところ、サバティカルリーブ中の仕事については完全に自分で決めることができるので、自分の時間のうち、結構な割合を家族のために使うことになるのではないかと覚悟しております。それはアメリカ文化に疎い私自身にとっても成長の機会となることでしょう。そして子どもたちも現地の公立学校に通うことになりますから、この上ない試練となるはずです。

家族の絆をより深め、子どもたちの未来に何らかの良い爪痕を残すことを期待して、私達は旅立ちます。

大変筆不精な私ですが、あとからこの一年を振り返られるよう、なるべく記録を残したいと思っています。熟慮よりも、スピードと蓄積重視で書いていきます!

(この記事は生活が落ち着いた4月中旬に書いています。令和の発表も津田梅子先生の新紙幣のニュースもアメリカで聞きました。おめでたいですね!)

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